新型コロナウイルスに加え、ウクライナ危機の発生により、日本社会全体において経済や社会生活への影響により物価の上昇が加速するなど大きな影響を与えています。
今後の日本社会の展望としては、少子高齢化により生産年齢人口が2030年に6,875万人まで減少することが見込まれる中、労働生産性の向上などICTの果たすべき役割がより大きくなる一方、ICTへの依存度の高まりに伴い顕在化する通信ネットワークや関連機器等のサプライチェーン等の強靭化が重要な課題となっています。
このような環境下において、協会ならびに会員会社としては、社会課題の解決ならびにデジタル化の実現に向けて、情報通信エンジニアリング分野の「総合力強化」「人材育成」「安全対策」にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
エンジニアリング力強化の取り組みとしては、設計、建設・開通工事、保守・運用・故障修理・災害時等の幅広い技術力の向上、業務上課題となっている事項の解決に向けた検討や改善を行ってまいります。また、昨今の環境変化に柔軟に対応した現場技術力の向上とボトムアップを目的とした「光通信工事技能競技会」、経済的な設計や提案スキルを競い合うとともに、設計者の安全意識の向上ならびに会社間の情報共有を図ることを目的とした「アクセスデザインコンテスト」により、エンジニアリング力の強化を図ってまいります。
事業を支える人材育成については、研修のあり方や手法も進化する必要がある中、今日まで段階的に実施してきた研修の会員各JVへの移管が完了する年となります。今後、協会と会員各社の連携を図りつつ、長年にわたって多くの人材を送り出してきた拠点のノウハウや知恵は、研修の会員各JVへの移管とともにしっかりと継承、協会としてもサポートをしてまいります。
協会としては、技術認定や全国レベルでの技術品質レベル統一、新技術導入といった調整等を要する研修は、これまで通り取り組んでまいります。
また、協会計画研修の移管に伴い体制の適正化や資産スリム化、業務効率化等の検討、具現化を進めていきます。
外国人の雇用に関しては、特定技能外国人制度の適正運用に向けた取り組みを推進し、受入を希望する会社への支援などを実施していきます。
世の中がどんなに変化しようとも、決して変えてはならないことがあります。それは、安全に対する意識や取り組みであり、いかなる状況においても最優先すべき事項です。お客様からの安心・信頼を得られるように、人身事故・設備事故の撲滅に向けて取り組んでいきます。安全は通信建設業界の要であり、その取り組みに終わりはありません。プロの集団として更なる安全、品質の向上を目指して日々研鑽に励みたいと思います。